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2018.11.04
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INTERVIEW TEAM KYOTO [対談]佐藤大臣仁×染谷悠太

TEAM KYOTO
リーダーが語る、京都とサンガの未来。

[対談]

京都パープルサンガ後援会 専務理事 佐藤大臣仁

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京都サンガF.C. 15 DF 染谷悠太

 

 

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後援会だからこそ、できることがあるはず

 

ーー先日、TEAM京都という一面広告が京都新聞に掲載されました。京都府サッカー協会や京セラ、そして京都パープルサンガ後援会からもメッセージが掲載されています。


佐藤専務理事

後援会として、成績が良かろうが悪かろうが、様々な事業を通じてサポートしていく姿勢は変わりません。今年でJ2在籍が8年目を迎えて「J1へ早く昇格して欲しい」という声はあるでしょうが、選手やスタッフやフロント、チームを支える裏方の方々などをサポートしていきたい。京都の伝統文化などと比べれば、この街のプロスポーツとしての歴史はまだまだ浅いです。サンガのあと、女子プロ野球のフローラやバスケットボールのハンナリーズなど新たなプロスポーツも誕生しましたが、それらを京都の地域社会に広めて、京都ならではのプロスポーツ文化を作り上げていけると思っています。


ーー改めて、後援会の歴史を教えていただけますか。


佐藤専務理事

サンガは1995年にJFLからJリーグへ昇格しましたが、その前から各地域の青年団体を主体として発足の準備が始まりました。そしてJリーグ昇格初年度の1996年に後援会が正式に発足しました。Jクラブの後援会としては、京都が一番最初にできたんですよ。サポーターはすでにスタジアムで応援していたので、後援会としては経済界や地域社会の様々な団体などとの橋渡しをして、サンガを後押ししていく。チームが強いときも、そうでないときも、サンガと地域社会の活性化を目指して活動してきました。今回の「TEAM京都」もその一環です。こう言うのもおこがましいですが、後援会のメンバーの多くは会社の代表を務めています。経済界に精通している人が多い。堀場厚後援会会長も常々「(我々だからこそ)できることがある」とおっしゃっています。

 

染谷

後援会の皆さんはどんなときもサポートしてくださっていますし、話を聞きながら改めて凄いことだなと感じています。「TEAM京都」の広告もすごくありがたかったし、逆に僕たちが結果を出せていないことで、そういうことをさせてしまっているという面もあると思うんです。その気持ちを汲み取って、次は明るい、みんなが喜べるような話題を提供していきたいですね。

 

 

ーー規模が大きい事業として、年末の後援会アワードパーティーがあります。

 

染谷

いいときに大きなパーティーがあるのはわかるんですが、よくないシーズンとなってしまった年にも大きなパーティーが開かれて、考えられないような多くの方が集まってくれる。このクラブの規模を考えても早くJ1へ昇格しなければいけないし、その期待に結果で応えたいと選手全員が思っています。

 

京都という街に、サッカー文化を育みたい

 

ーー京都にはさまざまな文化や娯楽があります。その中でサッカー文化をどうやって盛り上げていくかは、我々に課せられた課題のひとつです。


佐藤専務理事

後援会のアウェイバスツアーにはたくさんの方が参加されますし、年5回ほど実施しています。年末のアワードパーティーにも、成績に関わらず毎年400人ほどの方々が集まります。そこにJ1昇格などの成績が伴えば、僕たちも更にクラブやサポーターを盛り上げていくつもりです。今は辛い時期ですが、そんな中でも一人ひとりの方に応援してもらいたいし、フットサル大会を開いて親睦を深めることもしています。これからも時代にそったサポートを考えていきたいです。


染谷

これだけ多くの人や企業が関わってくれている中で、例えば今年のような成績だといろんなことを言われると思うんです。悔しい思いもされているでしょう。盛り上げていくには結果を出すのが一番だし、「京都の街にはいろんなものがあるけど、サッカーもあるよね」と言ってもらえるようにしたいですね。やっぱり僕たち選手の立場からは結果を出す、出し続けることが大事なのかなと思います。そうすることで佐藤さんや後援会の方々が「もっとサポートしたい」、「こんなこともできるんじゃないかな」となっていくはずです。

 

佐藤専務理事

僕も含めて後援会のメンバーは、可能な限り西京極へ行って試合を見ています。試合内容はもちろん、どれくらい観客が集まっているのかも気になりますね。後援会としては、勝利した試合で活躍した選手をマン・オブ・ザ・マッチとして選んでいます。それと、今回の対談が決まってからは、やっぱり染谷選手が気になるのでプレーを追いかけていました。そうして観戦した試合で感じたものが日々の活動の励みにもなりますし、試合での選手の熱意というのは必ず伝わるものです。どれだけグラウンドで本気に戦ってくれているのか、走っているのか。今はそれを楽しみにしています。


ーー佐藤専務理事もサッカーをプレーされているんですか?


佐藤専務理事

私も染谷選手と同じDFです。右サイドバックなんです。


染谷

そうなんですか! サンガだとビツさん(石櫃洋祐)ですね。

 

佐藤専務理事

でも彼のように何度も攻撃参加はできません。シニアは30分ハーフなんですが、前に出たらなかなか戻って来れなくて(笑)石櫃選手は本当にすごいですね。重要なポジションで、ずっと試合に出続けている。尊敬しています。

 

 

スタジアムは、サッカーに欠かせない“しつらえ”

 

ーー若年層だけでなく、シニア世代もスポーツを楽しめる環境というのは大切ですね。


佐藤専務理事

先日の京都府サッカー協会の村山会長と岩崎選手の対談も拝見しましたが、村山会長のおっしゃるように京都でサッカーをできる場所を増やしていきたいです。亀岡には新スタジアムが建設中ですが、大きなスタジアムだけでなく、その周りの環境を整えていくことも重要ですからね。それによってサッカーに限らず、いろんなことができると思うんです。

 

ーー亀岡の新スタジアムは2020年から始動する予定です。

 

佐藤専務理事

スタジアムは前・京都府知事の山田啓二さんが「亀岡に」ということで場所が決まり、大変多くの署名も集まりました。アユモドキの問題などもありましたが、現在は亀岡駅のすぐ近くで建設が始まっています。後援会も「京都・サッカースタジアムを推進する会」に加わって、平成25年に、新スタジアムの要望書を府に提出させてもらったことがあります。鹿島やJリーグから人も招いて、実際にスタジアムがどのように運営されているのかの話も聞きました。そうしたことも後援会の使命の一つです。堀場会長がよくおっしゃっているんですが、どんな京料理でも器が大切で、器をサッカーに例えればスタジアムです。京都ならではの見せ方もあるでしょうし、その中で選手が生き生きとプレーすれば、いい器といい料理になります。そういう形を見据えれば、スタジアムは本当に大事な“しつらえ”ですよね。2020年は、もうすぐそこです。先日も亀岡サッカーデーがありましたが、もっとダイレクトなPRや展開があればいいなと感じています。


染谷

僕も先日、亀岡市長の桂川(孝裕)さんと建設中のスタジアムを回らせてもらったんですが、感慨深いものがありました。サッカー専用スタジアムは自分も好きなので、それが京都にできるのは嬉しいです。それを、もっと広めていきたいです。あそこを京都サッカーの聖地にしたいし、プレーする選手にも「あそこでやってみたいよね」と思われたいですね。

 

ーー選手の立場から、専用スタジアムの魅力はどこにあるのでしょうか?

 

染谷

ピッチと観客席の距離が近いので、必然的にお客さんとの距離感も近くなります。選手の息遣いや、身体と身体がぶつかる音なんかも聞こえて、陸上競技場とはまた違った臨場感が感じられるのが魅力だと思います。


佐藤専務理事

僕も専用スタジアムで何度も観戦しましたが、それこそスパイクとスパイクの当たる音が聞こえるんです。選手の声も聞こえ、「あんなことを言ってるんだ」と思うこともあります。そうしたことを肌で感じることができる。それは観戦する立場としても、すごく魅力的ですよね。

 

 

経営者とキャプテン、それぞれのリーダー論

 

ーー佐藤さんは会社を経営されていて、染谷選手も今季のキャプテンを務めています。お二人のリーダー論というものを聞かせてもらえないでしょうか?

 

佐藤専務理事

僕は確固たるものを持っているわけではないんですが、いま尋ねられて思うのは、僕自身は会社の中では後援会のような存在です。社員の姿を見ながら、要所要所では決断をしていますが、あまり細かいことまでは決めずにいます。会社によって様々なケースがあるでしょうが、僕は社員のみんなに支えてもらっていますね。時代の移り変わりが早いので、そこにどう対応していくのか。社員の日々の取り組みを見ながら、考えています。


染谷

僕は人前に立ったり、全員の前で話すことが必ずしも得意ではありません。自分が意識しているのは、それだったら姿勢などから、みんなに「自分もがんばらなきゃ」と思ってもらえるようにしていくことです。背中で引っ張っていけるようになりたい、ならなきゃいけないです。佐藤さんの話を聞いていて、比較するのはおこがましいんですが、サッカーも1人では何もできません。僕もチームメイトに支えてもらっています。みんながいるから、がんばれる。がんばって引っ張っていこうと思えるんです。そういう相互作用でチームが良くなっていくのがいいのかなと感じています。


ーーその中でリーダーとしての決断や振る舞いが求められることもあると思います。


佐藤専務理事

会社で言えば、最後に責任を取るのは私ですし、重いものは背負っています。染谷選手もDFの要として、結果に対してさまざまなものを感じながら次の試合へと向かっていると思います。リーダーである、キャプテンである、それは使命ですね。いいときはあまり言わず、社員に不安を感じさせないようにしています。

 

染谷

サンガは今年、苦しいシーズンとなっていますが「これは、みんなにとっていい経験になった」と言えるようにしないといけません。苦しいときこそ、人が嫌がることを率先してできるかどうか。いま、佐藤さんは淡々と話されましたけれど、相当な苦労があったと思うんです。そうときにグッとこらえて、自分の立ち振る舞いなどでみんなを安心させてあげないといけないなと感じています。

 

日常生活にスポーツ文化がある、そんな未来へ


ーー最後に京都サッカーの未来について聞かせてください。

 

佐藤専務理事

これからも後援会としてできること、やるべきことがあるはずです。スタジアム完成が、いい転機となって欲しい。プロスポーツの文化が浸透して、みんなでスタジアムへ足を運ぶ、日常的にサッカーが気になる。スポーツを身近に感じられる環境を作っていきたいし、そこに京都らしさがあればいいですよね。プロアマ問わずに、スポーツが日々の生活の中で安らぎになる。みんなでまとまって、そんな未来を目指したいです。

 

染谷

素晴らしいスタジアムが完成しますが、京都には多くの重要文化財があります。いまは京都=観光というふうにフォーカスされていますが、そこにサッカーが並べるような魅力を発信していきたいです。サンガの試合に行こう、サッカーを観に行こう、そこから観光にも行こう。そんな風に思ってもらえれば、サンガに入りたいなという子どもたちも増えると思うんです。そういう子どもたちを増やすことも、僕たち選手の使命だと思うんです。京都サンガと京都のサッカーをより明るいものにするために、自分のできることを精一杯やっていきたいです。

   

(10月16日/取材・文=雨堤俊祐)

 

【プロフィール】


京都パープルサンガ後援会 専務理事
佐藤 大臣仁 / Takahiro SATO

1957年11月17日生まれ。愛媛県出身。京都パープルサンガ後援会が正式発足する前の準備段階から関わっているスタートアップメンバーの1人。現在、後援会の専務理事を務める。小学生の頃にサッカーを始めて、就職後も京都府社会人リーグで30年以上プレーした。現在もシニアリーグで活動中。株式会社洛東工芸の代表取締役社長。
 

京都サンガF.C. 15 DF
染谷 悠太 / Yuta SOMEYA

1986年9月30日生まれ。東京都出身。FC東京U-18、流通経済大学を経て2009年、京都サンガF.C.に加入。ルーキーイヤーからコンスタントに出場した。2014年から2シーズン、セレッソ大阪でプレーした後、サンガに復帰。今季はチームキャプテンを務めている。

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